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岩手県出身者が主宰する本劇団は、1967年創立の世界初の青少年が演じるミュージカルスクールであり、半世紀を経た今日もなお青少年の文化芸術の心を育む特異な存在であり、岩手自慢にふさわしい。
堯 律子氏は劇団の主宰を通じて、青少年文化活動の発展に寄与され、(財)日本青少年文化センターが主催する賞で、児童文化振興に功績のあった人に贈られる、名誉ある久留島武彦文化賞(注)を受賞した他、地元兵庫県の文化芸術関連委員に就任、兵庫県文化功労者賞を受賞した。また、関西岩手県人会の会長を2期4年務めたほか、副会長、常任幹事など役員の任期は通算28年に達する。桐の会(女子会)の会長でもある。
(注)村上水軍の末裔、日本初の口演童話活動で6000の幼稚園・小学校を訪問。デンマークでアンデルセンの復権を訴え「日本のアンデルセン」とも呼ばれる。
自宅を改造して始めた音楽教室を開いているうち、ふとした思いつきで始めたのが「世界で初めての青少年が演じる劇団・どんぐりコールミュージカルスクール」であった。
記念すべき創立の時・1967年(昭和42年) は日本がいわゆる高度経済成長の波に乗り始めたころで、ある意味時流に乗ったともいえるが、当時は全くの手探りであったという。
幸いなことに、様々な方面からのご厚意と専門的な助力をいただけるようになり、3年後の1970年(昭和45年)に堯 律子脚色のミュージカル劇「森は生きている」の公演にこぎつけ、その後定期的なステージ発表が波に乗り始めた、という。
転換期となったのは 1983年(昭和58年)、劇団四季によるミュージカル・CATS(キャッツ)の日本公演が始まり、空前のミュージカルブームが到来し、一般向けのエンターテインメントとして受け入れられるようになったこと。どんぐりコールのステージ参加者も100名に及び舞台からあふれんばかり、講演回数もプログループ並みになったという。
やがてブームの沈静とともに、「商業舞台としてか、あるいは青少年の心の成長か」、活動の方向性が問われることに。
1990 年初頭のバブル崩壊の時代、舞台活動にも陰が差し始めた1995年(平成7年)、創立27周年の時に「阪神淡路大震災」に遭遇。地元西宮の多くの生徒が被害を受けた中、「今こそ、芸術文化の火を絶やしてはならない」との思いで、半年後に定期公演に踏み切ったという。
ほどなく、兵庫県文化協会より,兵庫県下の教育機関での芸術鑑賞会公演を依頼されるようになって今日まで続いているとのこと。この教育助成システムは兵庫県独自のもので、兵庫県の芸術文化への見識の高さがうかがわれる。
1911年(平成23年)、東日本大震災に伴う津波によって、郷里・陸前高田市の「名勝高田の松原」は奇跡の1本松を残して全てをなぎ倒され、標高20メートル以下の市街地は波にさらわれ、死者・行方不明者は2,000名弱に及んだ。
震災後のある日、「同級生はみんないなくなった」と話すのを聞いたが、ご本人は「何かできることはないか」と思案したうえで、「CD集 Friend」を作製し、販売収益は「いわての学び希望基金」に寄付した。その作製にあったって、どんぐりコールのスタッフ、生徒たちが総力を挙げて手伝ってくれ、故郷への想いを形にしてくれた、という。
2020年、令和2年に創立53年を迎えた。今、2.5次元ミュージカル(漫画、アニメ、ゲームを原作とする)が海外で注目を集めているらしい。世の中は変わるが、どんぐりコールミュージカルにはこれからも舞台芸術を通して、数多くの子供たちに豊かな文化芸術の心をはぐくんでほしいと思う。
「森は生きている」の公演以降、以下の 18 作品が上演された。1971~1987年の脚色・演出は外部講師に依頼したが、1988年からは長女の堯 葉子氏(現・有馬姓、甲陽音楽学院卒)が脚色・演出を担当して現在に至っている。また作曲は初期の4年を除き、1974~2006年の32年間、著名な作曲家の越部信義氏(東京芸術大学卒、おもちゃのチャチャチャなど)が担当、定期公演が 1 年おきになった 2008 年からは次郎丸智希氏(大阪大学卒、大阪音学大学、お茶の水女子大学講師)が担当している。この間、1987年、1990年、2004年の3回は東京公演を成功させている。作品名は以下のとおり。
「雪ん子」 | 「世界わんぱく会議」 |
「オーロラ姫」 | 「アルプスの少女ハイジ」 |
「ピノキオの冒険」 | 「青い鳥」 |
「火の鳥(ヤマト篇)」 | 「桃太郎アンコール」 |
「オズの魔法使い」 | 「ファンタジー」 |
「みつばちマーヤの冒険」 | 「くるみ割り人形」 |
「真夏の夜の夢」 | 「シンドバットの冒険」 |
「風の道しるべ(宮沢賢治の世界)」 | 「絵のない絵本(アンデルセンの世界)」 |
「アンデルセンドリーム」 | 「星の王子様」 |
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有馬葉子(演出・ダンス) |
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次郎丸智希(音楽指導・作曲) |
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津國直樹(歌唱指導) |
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田中郷子(歌唱指導) |
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関西子供ミュージカルスクールの老舗、そして日本ミュージカル界の超原動力と認められている本校から、バレエ界、ミュージカル界、音楽界などで、枚挙のいとまがないほど多くの出身者が活躍している。
ミュージカルは「歌」「踊り」「芝居」によって織りなされる総合芸術
レッスン場は楽しい仲間の歌声でいつもいっぱい
関西岩手県人会々員で、お子さんやお孫さんに夢をお持ちの方は一度公演をご覧ください。
※本記事の内容は取材当時のものです。
予めご了承願います。